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韓国沈没船は鹿児島の会社が売却

調べてみると「マルエーフェリー

鹿児島県の船舶会社「マルエーフェリー」によりますと、韓国南部の沖合いで沈没した旅客船はマルエーフェリー長崎県の造船所に依頼して建造したということです。船は「フェリーなみのうえ」として平成6年6月からおととし10月まで鹿児島と奄美大島周辺、それに沖縄を結ぶ便などとして運航され、その後、韓国の会社に売却されたということです。
船は総トン数が6600トンで、全長が145メートル、幅は最大で22メートルあり、積み荷を積んだときの速力は最大で21.5ノットだったということです。
中は5つの階層に分かれ、最上階には特等と1等の客室、その下2つの階層には2等客室があり、さらに下の階層は車用、最も下は貨物用になっていました。
当時は、客室の定員が804人で、韓国に売却されたあと、定員は920人となったことから改造された可能性があるということです。「フェリーなみのうえ」の運航ではGPSとレーダーが使われていたほか目視が行われていましたが、岩礁や流木はGPSやレーダーには映らないということです。
日本で運航された時には事故の記録はなく、「フェリーなみのうえ」は就航18年で売却されていました。*1

 

どんな船かと思って画像検索

するとそんな中にこんな画像が

ファイル:Ferry-ARIAKE that took the ground Mie,JAPAN.jpg

毎日新聞夕刊2009/11/13 一面

フェリー「ありあけ」が熊野灘で、11月13日午前5時25分ごろ、「船体が急激に傾斜した」と海上保安庁に118番があった。その後、傾いたまま、40キロ流され、三重県御前町の沖合約200メートルで座礁した。船体が損傷したとみられ、重油が流出している。

乗員は熊野市に「横波の衝撃で固定してあった貨物が右へ移動したのが原因と思う」と話したという。

運航会社のマルエーフェリーによると、ありあけは12日午後5時に東京・有明ふ頭を出発し、13日午後9時40分に鹿児島・志布志港に到着予定だった。ありあけは95年建造で総トン数7910トン、全長約167メートル、最大幅23メートルの大型フェリー。乗員21人、乗客7人のほかコンテナ計1186トンや大型車や重機など車両78台を運送していた。

津地方気象台によると、三重県南部には12日午前から継続的に強風・波浪注意報が出ており、尾鷲市では13日午前6時に高さ3.71メートルの波が観測された。

 

 

今回の事故の原因はこんなところにもあるのかも

大型フェリー「ありあけ」は、転覆は免れたけれども、航行不能になり、潮に流されて紀伊半島に座礁してしまったのだ。座礁したフェリーの写真を見ると、船体のバランスの悪さが目に付く。船体の下部に赤く塗られた部分と、その上の船上部分を比べると、船上部分が異常に大きいのだ。分量で、1対3の割合だ。その船上部分には、さらにマストや太い煙突が突き出ている。船体の重心がそうとう高い位置にあることがうかがえるのだ。これでは、みるからに傾きやすい。

7910トンの大型船が、台風でもない、ちょっとした低気圧による風が吹く中で、4メートル前後の横波に揺られただけで傾いてしまったことは、あまりにも弱すぎる。私は憤りさえ覚える。これによって28人の乗員乗客をはじめ、荷主に多大な被害を及ぼしたのだ。船会社としての損害も大きいし、今後、重油が洩れたことによる環境被害も広がるのだ。

傾いた原因として、「横波を受けて積荷が崩れた」という乗組員の証言があるのだが、積荷の一部が崩れたぐらいで、人が立っていられないほど船体が傾き、そのまま、もどらなかったのは、おかしい。私は「構造的な問題」があると断定したい。積荷がずれたぐらいで傾くのでは、安定性がなさすぎる。船体の復元力が弱すぎるのだ。船の重心がかなり上の方にあるため、ちょっとしたバランスの移動で、傾いてしまうような構造になっていたと考えられる。

強風・波浪注意報が出ている中で、ありあけは波風の方向をまったく無視して平然と航行し、まともに横波をくらって傾いてしまったという状況が想像される。〈この大型船なら、少々の横波でも大丈夫だ。燃料を節約するためにも、波をよけたりせず、まっすぐ進もう〉という「慢心」と「けちくささ」が、操船していた乗員にあったのではないか。コンテナなどの積載量が過重だったわけではないようだ。それよりも、積荷の載せ方に問題があった可能性が考えられる。重いものを船の上の方に乗せると、バランスが悪くなるのは自明の理だ。重い貨物は、喫水線上より下に、理想的には船底に積めばいいのだが、港での上げ下ろしを「速く安易にすます」ために、上の方に多くの貨物を積んでいたのだろう、と私は想像する。船底に入れてしまうと、港での出し入れに手間がかかるのだ。特に、重い重機などは、やっかいな荷物になりそうだ。フェリーは港の岸壁につけると、架橋を渡して車両を自力走行させることで、上げ下ろしをスムーズにするしくみをもっている。岸壁の高さと同じ位置に車両を載せるのが、最適なのかもしれない。コンテナをクレーンで揚げ降ろしをするにしても、岸壁の高さ以上のレベルに貨物を積んだ方が効率的に行えそうだ。船のバランスを悪くする方が、接岸時の作業が効率的だったりして……。そうだとすると、会社はフェリーの運用の効率を追求する余り、船の安定性は二の次にしていたことになる。

揺れは、船の上部ほどその振幅が大きくなるので、上の方に積んだ荷物(車両)ほど、すべってしまう可能性が大きくなる。船が傾いたことで、一つの荷物がすべり、それによって傾きがさらに増し、他の荷物も、総崩れのように、どっとすべってしまって、復元不能に陥ったのだろう。積荷をしっかり固定せず、ちょっとの揺れで、『荷崩れ』状態になったものと推定されるから、荷物の固定に作業者が手を抜いたことが、ちょっとしたきっかけであり、大きな敗着にもなるのだ。

復元力が弱い、根本的な原因は、フェリーの構造の悪さ、つまり設計の問題によるものだと私はにらんでいる。フェリーの便利さのために、船上部分を大きくすることが必要なのかもしれないが、横に傾いた時の復元力が失われてしまうほど、船上部分を大きくしてはいけない。経済性を優先し、船上部分に積荷を多く載せられるようにしたりして、安全性をおろそかにしたものだろう。〈こんなにバランスの悪い構造の船を作っては危険だ〉という認識が足りなかったのだろう。造船の構造設計において、安全設計の基準が甘すぎたのではないか。

運行会社は、フェリーのそんな危険性を知らないから、平気で、船の上の方に重い荷物を乗せたり、横波を避けようともせず、横波をまともに受けたりするような操船をしたのだ

*2

 

遅れた時間を取り戻そうと急いでいたかも
波の向き風の向きを無視して強引に航行していたかも

過去に事故から何も学んでいないのだ!

 

これは人災なのかもしれない

ちなみにこの「マルエーフェリー」は鹿児島-東京間を航行している

そう、2006年公開の映画「LIMIT OF LOVE 海猿

鹿児島港で座礁したフェリーのモチーフなった会社なのだった。
何という因縁だろうか(@_@。

*1:NHKニュースWEBより

*2:横波でバランスをくずしたフェリー 岡森利幸   2009/11/16